ここ数年でYouTuberが『職業』として
市民権を得たのは皆さんもご存知のことと思います。
この背景には、スマートフォン、インターネットの急速な普及が
起因しているのは言うまでもありません。
いつでも動画を視聴できる端末が手元にあることで
【動画を見る】という行動は
私たちにとってより身近な、当たり前のものとなりました。
その一方で、若者を筆頭にしたテレビ離れが叫ばれておりますが
これも時代の潮流といえるのかもしれません。

この大きな流れを受けて、
・企業のマーケティング戦略はどのように変化したのか?
・消費者の購買行動はどのように変化したのか?

今回はこのことについて言及していきたいと思います。

マーケティング戦略の変化

従来のWebマーケティングは
自社のサイトやブログで情報を更新したり、SNSで情報発信したりと
テキストや画像を中心しとしたコンテンツで
自社商品やサービスを告知しておりました。

近年の主流となってきている動画マーケティングとは
動画をメインのコンテンツに据えて
自社商品やサービスを告知することを言います。

では動画の持つ優位性はどこにあるのか?
続いてはメリット・デメリットをご説明します。

◎メリット

1.インターネットコンテンツの中で最も多く閲覧されている

とある企業が行った『コンテンツ消費トレンドに関する調査』によると、
人々が最もじっくり視聴・閲覧するコンテンツとして、動画が1位に挙げられました。
日々大量のコンテンツが消費されるこの時代で
人々の注意を引くことが年々難しくなっていますが、
動画はその点において優位性があると捉えることができそうです。
また、記事へと誘導するリンク投稿型のコンテンツに対するエンゲージメントが減少する一方で、
動画コンテンツに対するエンゲージメントは増加傾向にあることが明らかになっています。

2.情報量が圧倒的に多い

画像やテキストでは文字数やサイズなどの縛りがあり、伝えられる情報量にかなりの制限があります。
その点、動画は『映像、音楽、言葉』など、圧倒的に多くの情報を短時間で伝えることが可能です。
3分間の動画コンテンツの情報量をテキストに変換すると、Webページで約12ページ分にもおよぶそうです。
皆さんが今まさに閲覧しているこのページが12ページも続くと想像してみてください。
果たして最後まで読んでくれるユーザーはどれくらいいるでしょうか?

3.購入率が上昇する

上述したように閲覧者がキャッチアップする情報量が非常に多いので商品理解度が上がります。
それに伴って必然的に購入率も増加する傾向にあります。
ECにおいても動画を含んだ商品ページの方が転換率が高い傾向にあります。
さらに映像と音楽とを織りまぜてドラマティックに情報を伝えることで、
静止画よりも記憶に残りやすく、共感も得やすいです。

4.SEOの評価が高くなる

ユーザーが検索したキーワードや求めている情報に関して一致している動画をサイトやLPに設置していると
検索エンジンでの評価が上がります。
どうやら検索エンジンが動画も評価対象に含んでいるようです。
GoogleのアルゴリズムはECモールの検索にも影響を与えているので
商品ページに動画を盛り込んでいるリッチコンテンツはモール内SEOでも有利になるはずです。

5.拡散性が高い

動画はコンテンツが面白ければ、テキスト型のコンテンツより拡散されやすいです。
前述の通り、動画は視聴者との感情的なつながりを生み出しやすいという特長を持っています。
そして動画によって何かしらの感情を持った視聴者の中では、
その経験を他人にも共感して欲しいという思いが生まれ、
SNSなどで『シェア』という行動を起こしやすい状態になります。

×デメリット

1.動画制作には手間とコストがかかる

コンテンツを新たに作成するということは当然手間とコストがかかります。
さらに言えば、今まで動画コンテンツを作成したことがない場合、
作成するためのノウハウが必要となります。
動画の撮影や編集にかかる手間・コストの面も考慮して、
動画コンテンツの導入を検討する必要があるでしょう。

2.品質の低い動画はブランドイメージを毀損する

クオリティの低い動画コンテンツはアピールポイントを伝えることができないばかりか、
ブランドイメージを損ねて視聴者に不信感を与えてしまう恐れがあります。

自社にノウハウがないのであれば外注するほうが望ましいかと思います。

消費者購買行動の変化

少し前までであれば
消費者が得る情報の大部分は活字かテレビ、という限られたメディアからのみでした。
広告の代名詞もテレビCMであり、
広告ということを意識せずに触れていた人がほとんどだったと思います。
視聴率も軒並み高かった時代なので
CMを見る人が必然的に多かったことも想像に難くありません。

では、近年ではどうなのか?

前述したように動画を閲覧する人数、時間の増加に伴い、
テレビの視聴自体が減少傾向にあります。
このことからCM効果も薄れているのが現状です。
そのうえ、インターネットの普及により
自分が欲しい情報にすぐリーチできるようになりました。

例えば、
もしあなたが気になる商品があったとしたら

ネットが普及していない時代の行動:テレビや本などで情報を探す。

ネットが普及し始めてきた時代の行動:検索エンジンで検索をする。

近年の行動:YouTubeやSNSで検索する。

このように時代は移り変わってきました。
欲しい商品の真価を知る術が変わったのです。

まとめ

動画コンテンツが持つ優位性は確かなものです。
マーケティング・コミュニケーションにおいてさまざまなメリットをもたらすコンテンツであり、
効果的なマーケティングの実現には欠かせない存在となりつつあります。
動画の価値をよく理解した上で、それらを最大限に発揮できる動画マーケティング戦略を策定することが重要です。
ECを運営されている企業様はインフルエンサーを使った動画広告も
選択肢の1つとして持っておいた方が良いかもしれません。