CPM分析とは
CPM分析とは、”Customer Portfolio Management”の略で、
顧客データや購買履歴をもとに売上の最大化を目指すために用いられる分析手法です。
具体的には、ユーザーを以下の5つによって
- 離脱状況
- 取引期間
- 購入回数
- 購入頻度
- 購入金額
10個のグループに分類し、それぞれの層にあったアプローチを行い
顧客育成(ナーチャリング)を行います。
CPM分析が注目されている理由
CPM分析が注目されている理由は、ECサイトとの相性が良い点です。
ECサイトの売上構成比は80~90%がリピーターだと言われており、
リピーターの獲得がECサイト運営における最も重要な課題の1つです。
CPM分析はリピーター獲得を目的として用いられることが多い顧客分析手法のため、
昨今のEC市場の加速度的な拡大に伴って、
この分析手法が注目されているという流れになります。
CPM分析の方法
CPM分析では、まず顧客を次の5つのグループに分類します。
- 初回客:1回しか購入していない顧客
- よちよち客:リピーターだが、サイトの利用期間は短い顧客
- コツコツ客:リピーターでサイトの利用期間も長いが、購入金額が少ない顧客
- 流行客:リピーターだがサイトの利用期間が短く、購入金額は多い顧客
- 優良客:リピーターでサイトの利用期間が長く、購入金額も多い顧客
さらに、上記5つのグループそれぞれを
「現役」か「離脱」かの2つに分けます。
- 現役:現在もサイトを利用している顧客
- 離脱:現在はサイトを利用していない顧客
その結果、顧客を以下の10グループに分類することができます。
- 初回現役客:設定した期間内で、初回のみ購入した顧客
- よちよち現役客:設定した期間内で、2回以上購入した顧客
- コツコツ現役客:設定した期間内で、安定してリピート購入している顧客
- 流行現役客:(短く)設定した期間内で、設定金額以上の購入をした顧客
- 優良現役客:(長く)設定した期間内で、設定金額以上の購入をした顧客
- 初回離脱客:設定した期間内で、初回のみ購入したが離れてしまった顧客
- よちよち離脱客:設定した期間内で、2回以上購入したが離れてしまった顧客
- コツコツ離脱客:設定した期間内で、安定してリピート購入があったが離れてしまった顧客
- 流行離脱客:(短く)設定した期間内で、設定金額以上の購入をしたが離れてしまった顧客
- 優良離脱客:(長く)設定した期間内で、設定金額以上の購入をしたが離れてしまった顧客
これらの分類に基づいて各グループの顧客数、購買傾向を分析することで、
リピーターを育成するための効果的なマーケティング施策を立案することが可能となります。
なお、分類に用いるための具体的な数字につきましては、
自社の商品や売上などサイトの状況にあわせて自由に設定することができます。
例えば、「コツコツ現役客」なら
『購入回数が2回以上、購入総額が3万円以下、在籍期間が60日以上、離脱期間が120日未満』など。
CPM分析とRFM分析の違い
CPMと似た分析手法にRFM分析というものがあります。
RFM分析とは、Recency(最近の購入日)、Frequency(購入頻度)、Monetary(購入金額)という3つの指標で顧客をスコアリングすることで、
「優良客」、「見込み客」、「新規客」、「離反客」に分類して、
離反客以外の顧客に積極的にアプローチするための分析手法です。
RFM分析
RFM分析とは何か RFM分析とは、顧客の購買状況をデータ化してグループピングするマーケティング戦略の一つです。 具体的には、以下の3つの指標を用いて顧客を分類します。 「Recency」、「Frequency」、「Mo ...
RFM分析は「上位ユーザーに狙いを定めてデータ抽出する」という点が大きな特徴です。
そのため、リピート率の高いユーザーを選んでアプローチするということは
それだけ短期的な利益に繋がります。
一方で、CPM分析では、中長期的なアプローチを行うことで、離脱客の引き戻しや、LTVの向上に
主眼が置かれています。
短期的な利益ではなく、「ユーザーを育成し将来的な売上拡大を目指す」というのがCPM分析の目的となります。