コモディティ化とは
コモディティ化とは、市場参入時に
高付加価値を持っていた商品、サービスの市場価値が低下し、
一般的な商品になることをいいます。
つまり、異なる企業が提供している商品、サービスと同質化し、
競合他社との差別化ができなくなってしまった状態を意味しています。
コモディティ化が起こると、消費者にとっての商品選択基準が
市場価格や流通量に限定されてしまい、
低価格競争に陥りやすいという特徴があります。
なぜコモディティ化が起こるのか
類似商品、サービスの供給過多
コモディティ化が起こる原因の多くは、
元々市場に出回っていた商品、サービスと
同等の品質や機能を持つ競合商品が市場に出回り、
その商品、サービスそのものが持つ需要に対して、
供給が多くなり過ぎてしまうケースです。
このようなことが起こると、企業は売上を確保するために、
他社よりも安い価格で商品、サービスを提供してしまいます。
商品改善に目を向けず、安易に価格競争に走ってしまう企業ばかりだと
コモディティ化は急激に加速してしまいます。
商品のモジュール化
モジュール化とは、規格やルールに沿って標準化された部品などを使い、
商品の開発を行うことです。
商品のモジュール化は、メーカーにとって
開発が容易になるというメリットがありますが、
他社も同じく標準化された部品を使うため、似たような商品ができあがります。
このような理由から、
商品をモジュール化するとコモディティ化する可能性が高くなります。
過度な技術志向
顧客が求めるもの以上の機能・技術を商品に盛り込もうとしてしまうと、
オーバースペックとなり顧客は使いこなせず、
他の商品との違いを見出すことができません。
そのため、企業としては他社と同質の商品しか
市場に出せなくなってしまう場合があります。
その結果、類似商品が市場に溢れ、コモディティ化していくのです。
コモディティ化がもたらす問題点
価格競争になる
市場のコモディティ化が進むと、
各企業が提供する商品、サービスは同質化していきます。
商品、サービスに大きな違いがなければ、顧客は価格で選ぶようになります。
このような場合、企業は自社の商品、サービスを選んでもらうために
価格競争に走ることになります。
売上を確保しようとすればするほど、この価格競争は激化していきます。
利益の縮小
コモディティ化による企業間の価格競争が激化すると
商品、サービスは一定の水準まで低価格化が進みます。
価格を下げるということは、利益を減らすことと同義であるため、
利幅はどんどん薄くなっていきます。
脱コモディティ化のポイント
商品、サービスにさらなる付加価値を与える
コモディティ化を避けるためには、
商品、サービスにさらなる付加価値を与える方法が考えられます。
競合他社が模倣できないほどの付加価値を与えることができれば、
他社との差別化に繋がります。
模倣されにくい付加価値の一つに、ブランディングがあります。
ブランディングが成功している例として、
最も有名なのはアメリカのアップル社です。
アップル社は徹底して自社製品のブランド化に努めています。
日々のたゆまぬ努力で築き上げたブランド価値は
一朝一夕に模倣できるものではありません。
品質や価格といった模倣しやすい要素以外での差別化に力を注いでいきましょう。
薄利多売モデルへの転換
ブランディングがうまくいっていない商品、サービスは
そのほとんどがコモディティ化する運命にあります。
であれば、コモディティ化することを前提に
薄利多売で利益を上げるモデルに変更する方法も考えられます。
100円均一ショップのダイソーがまさにこのモデルです。
ダイソーの大きな特徴は、豊富な品揃えと圧倒的な安さです。
ダイソーは、商品の品質で差別化を図るより、
低価格で品揃えを強化する道を選びました。
突出した機能がついた商品は少ないながらも、
すべての商品を低価格で提供することによって
薄利多売でも利益を上げている好例です。