LPの改善や広告効果を上げようとするときに重要な役割を果たす「ABテスト」。
しかし、ただ闇雲にテストを繰り返しても、必ず成果が向上するわけではありません。
今回のブログでは、
・そもそもABテストとは何か
・ABテストのメリット・デメリット
など基礎的な知識を改めて整理していこうと思います。
ABテストとは
ABテストとは、主にWebマーケティングで行われる改善施策の一つです。
「ある特定の期間にページの一部分を2パターン以上用意して、どちらがより効果の高い成果を出せるのかを検証すること」です。
例えば、Webページでクリエイティブの異なるパターン「A」と「B」を用意して、どちらのパターンがより効果が高いのか?を検証することを指します。
改善を目的に行われるため、「A」と「B」以外に複数のパターンを用いる場合もあります。
なぜABテストを行うのか
ABテストを行う目的は様々ですが、一番多いのは”費用対効果の改善”です。
広告費を使って集客を行った場合を例にしてご説明します。
このような場合の獲得単価は、下記の数式で表せます。
獲得単価(CPA)=獲得コスト(広告費)÷獲得数(CV)
また、上記数式を変形すると下記になります。
獲得数(CV)=獲得コスト(広告費)÷獲得単価(CPA)
獲得数を増加させるためには、
獲得コスト(広告費)を追加するか獲得単価(CPA)を下げる必要があります。
ABテストの結果、
CVRやCTRが改善すれば獲得コスト(広告費)を追加せずに
獲得数(CV)が増加することになります。
結果、獲得単価(CPA)も下がり、費用対効果の改善につながります。
このように集客数が増えれば増えるほど、
数%の改善が及ぼす影響は大きくなります。
その数%の変化を子細に確認するためにABテストを行います。
ABテストのメリット
費用対効果の改善
ABテストを行うことで改善が期待できる要素ですが、
- バナーのクリック率(CTR)
- 滞在時間
- ランディングページの直帰率
- 回遊率
- フォームのコンバージョン率(CVR)
- 購入商品のクロスセル
など、多岐にわたります。
1つ1つの改善効果が低くても、掛け合わせる事で大きな改善につながります。
最小のリスクで安全に改善できる
サイトやページをリニューアルをした結果、
リニューアル前の方がCVRが良いなどという悲惨な目に合わなくて済むように、ABテストの場合、同時期にスプリットラン(同時並行)で効果検証を行うことができます。
結果を見て効果の高い方を残して次のテストを開始する、
というPDCAを回すことで、段階的に安全に改善を行う事が可能です。
予算がなくても実施できる
サイトやページのリニューアルを考えると、
ページ数にもよりますが大きな予算が必要になるのが通例です。
比べて、ABテストの場合は、
安価なツールも多く存在しますので、それらを利用することで、
予算を抑えてサイトの効果を上げることが可能です。
少ない工数で開始できる
一般的にリニューアルを行うにはHTMLやCSSを用いて構築していくので、完了までのリードタイムが長くかかります。
ABテストはちょっとした修正から対応が可能なので、少ない工数で開始して、継続する事で段階的に改善が可能です。
ABテストのデメリット
方法によっては有効かどうかがわからない
ある課題に対して、いくつもの要素を一気に同時並行でABテストを実施してしまうケースがあります。
これは大きな間違いです。ABテストは基本的に”一度に一要素”が望ましいです。
多くの要素を同時並行でテストしてしまうと、
どの施策が改善につながったのか検証が難しくなり、間違った判断をするリスクが高まります。
また、事前にしっかりと仮説を立てることが非常に重要です。
仮説の立て方が弱い場合、テスト結果の解釈にも大きく影響します。
分析のために、一定の母数、期間が必要
テストの結果を判断するためには、ある程度の母数が必要になってきます。
検証するための母数が少ないと、偏った検証結果になる可能性を排除できないからです。
また、ABテストを行いたいページの元々アクセス数や転換率を把握してから行わないと、思わぬ時間がかかることになるので、注意が必要です。