2025年は関税や値上げにEC業界全体は更なる競争が激化が見込まれます。
本記事ではECサイトの売上を最大化するための17の施策をアクセス、CVR、客単価などの目的別に厳選をしましたので
ストア様の成長と認知拡大の参考にしていただければ幸いです。

 

施策を行う前にECサイトの現状分析と目標設定

データに基づいた現状把握

まずは自社ECサイトであればGoogleAnalytics、モール型ECはモールが提供する分析ツールまたは管理画面上でストアの現状を詳細に分析しましょう。
アクセス数、コンバージョン率、ユーザー単価、離脱率、ユーザーの行動フローなどを把握することで具体的な改善点が見えてきます。
これらのデータは今後の戦略を立てる上で非常に重要な基礎となります。

さらに曜日別、時間帯別、流入元別のデータ分析も行うことでより詳細なユーザー行動を把握できます。
例えば特定の曜日や時間帯にアクセスが集中している場合はその時間帯に合わせたキャンペーンを実施することで売上向上に繋げることが可能です。
流入元別のデータ分析ではどのチャネルからのアクセスが多いのかを把握し効果的な集客戦略を立てることができます。

またユーザーの属性データ(年齢、性別、居住地など)を分析することでターゲットユーザー層を明確にすることができます。
ターゲットユーザー層に合わせた商品開発やマーケティング戦略を展開することでより効果的な売上向上に繋げることが可能です。
これらのデータを総合的に分析しストアの現状を正確に把握することが成功への第一歩となります。

KPI設定→SMART目標の設定

まずはKPI(重要業績評価指標)を設定し、進捗状況を定期的にモニタリング出来る環境を整えてください。
KPIとしては売上、アクセス数、コンバージョン率、客単価、新規獲得コストで十分です。
 

次にSMART目標の設定を行いましょう。 

SMARTとはSpecific(具体的)、Measurable(測定可能)、Achievable(達成可能)、Relevant(関連性)、Time-bound(期限付き)の頭文字を取ったもので効果的な目標設定のフレームワークです。

具体的な数値目標(例:コンバージョン率5%向上、売上20%増加、ユーザー獲得数50%増加など)を設定し達成までの期間、担当者、必要なリソースを明確にすることが目的です。
「売上を向上させる」という目標ではなく「3ヶ月以内に売上を15%向上させる」というように具体的で測定可能な目標を設定するのがポイントです。

また目標が自社のビジネス戦略と関連性があること、達成期限が明確であることも目標達成には不可欠な要素です。
当たり前ですが、チーム全体でSMART目標を共有し、定期的な進捗報告を行うことが重要ですので目標達成に向けて社内の協力体制を構築しましょう。

アクセス – 集客力アップのための施策

1・SEO対策の強化

「SEO対策」は広義な言葉と感じてしまう人も多いので
自社ECとモール型の別々で解説します。

まずは自社ECとモール型に関わらずベースとなるのは「キーワードの選定」です。
競合他社が使っているキーワードを参考したり、自社の製品のキーワードはもちろん季節的なトレンド、年代別のトレンドをしっかり選定するようにしましょう。 

・自社ECサイト
自社ECサイトではSEOの対象となる箇所が少し多いです。
コラム、ブログ、コンテンツページはページタイトル、メタディスクリプション、ページ内見出し、本文など商品ページは商品タイトル、商品説明文にキーワードを含める必要があります。 

・モール型EC
モール型ECは基本的には商品ページのみ最適化で問題ありません。
商品タイトル、商品説明文の二つにキーワードをしっかり含めましょう。
キーワード入力欄がある場合はそちらにも入れましょう。
ユーザーの検索意図を理解しニーズに合ったキーワード選定を心がけましょう。

2・SNSを活用した情報発信

Twitter、Instagram、FacebookなどのSNSで商品情報やキャンペーン情報を積極的に発信しフォロワーとのエンゲージメントを高めましょう。
SNSの特性に合わせて適切なコンテンツを投稿することが重要です。
例えばInstagramでは商品の写真や動画を投稿し、視覚的にアピールすることが効果的です。

Twitterでは文章で情報を発信しリアルタイムな情報を伝えることが効果的です。
SNSからのアクセスを増やす施策としてSNSキャンペーンを実施しフォロワーの参加を促すこともエンゲージメントを高めるために有効です。
プレゼントキャンペーン、クイズキャンペーン、写真投稿キャンペーンなど様々な種類のキャンペーンを実施することでフォロワーの興味を引きつけ参加を促すことができます。
 

インフルエンサーマーケティングを活用し商品の認知度を高めることも有効です。
インフルエンサーに商品を紹介してもらうことで多くの人に商品の魅力を伝えることができます。
自社のターゲット層に合ったインフルエンサーを選定し、声をかけてみるのも手です。

3・有料広告の活用

・自社ECサイト
Google広告、Facebook広告、Instagram広告などの有料広告を活用しターゲット層に効果的にアプローチします。
目標とするコンバージョン数やユーザー獲得コストを明確にすることが重要です。
Google広告ではキーワード検索広告、ディスプレイ広告、ショッピング広告など様々な種類の広告を利用できます。
Instagram広告では商品の写真や動画を投稿し、視覚的にアピールすることが効果的です。

・モール型EC
モール型ECではCPC広告が費用対効果がいい傾向にあります。
楽天市場はRPP広告
Amazonはスポンサープロダクト広告
Yahooショッピングはアイテムマッチ広告
Qoo10はプラス展示(キーワード別)広告など
最低でも週1回は広告の費用対効果を測定し最適化を行いましょう。

広告のROAS、購入された件数、クリック数、表示回数、コンバージョン数などを測定し費用対効果の高い広告に予算を集中させましょう。
A/Bテストはもちろんのこと、異なるターゲティング設定もやりましょう。
それらを比較し最も効果的な広告を見つけましょう。

4・メールマガジン

メルマガは昔ほどアクセス対策としては有効な手段ではありませんがそれでもまだまだ必要な施策になります。

・自社EC
メルマガがとくに有効なのは自社ECサイトです、ユーザー情報は大事なアセットになりますので
定期的にキャンペーンや値下げ情報などユーザーにメリットある情報を配信するようにしてください。
とくに新商品の情報は集客がしやすいので、キャンペーンと合わせて配信してください。

・モール型EC
モール型ECのメルマガはモールのイベントに合わせて配信する事が多いです。
そのため競合が多く効果が薄れる傾向にあります。
モール型ECのメルマガはイベント時に配信するのではなくイベント前に値下げ情報などを事前告知を行うツールとして使うのが有効です。

CVR – コンバージョン率を高める施策

5・ファーストビューの改善

ファーストビューとはユーザーが一番最初に目にする部分の事を指します。
3秒以内にユーザーがアクセスしたサイトが有益かどうか判断する時間と言われています。
ですが、実際3秒にすべてを詰め込むのは難しいのでまずはサイトに留まらせる事を意識しましょう。
第一歩としてキャッチコピーで自社の強みを伝えるようにしましょう。
価格なのか商品数なのか送料無料なのかオーガニック製品なのか等の強みをテキストと画像で伝えるようにしましょう。

6・値下げ、クーポン

物価高の世の中ですから、値下げする事でユーザーの購買意欲は高まります。
値下げは新規のユーザーにはもちろんですが、既存ユーザーにはさらに強い施策となります。
メルマガ、スライダー、商品名に値下げ情報を記入して発信しましょう。

7・ポイント設定

・自社ECサイト
自社ECサイトでのポイントは囲い込みの役割になります。
そのためモール型のようにイベント時に倍率を設定するようなやり方ではなく一気に10倍とか高い倍率に設定します。
新規を獲得する費用は既存客に比べて3倍ともいわれているので最初から高い倍率で囲い込みを行いましょう。
 

・モール型EC
モール型ECの強みといえばポイントです。
モールで買い物するユーザーの多くはポイントの倍率を意識して買い物をしますので
ポイント倍率は低くてもいいので必ず設定するようにしましょう。

8・保証、返金制度の導入

保証や返金制度はユーザーの安心につながる要素になりますので
しっかり設けるようにしましょう。
取り扱っている商材により保証内容も変わってくるのでお悩みのストア様はお問合せください。
面白い保証をご提案させていただきます。

9・商品ページの画像最適化

アクセス後にユーザーが一番最初に触れるのが商品ページの画像です。
購買心理のステップのなかでここが一番重要になります。
商品を使う事で得られる未来を想像できなかったユーザーは離脱しますので
商品を使う事で得られる未来、体験を画像を通してわかりやすく説明しましょう。

10・EFO(エントリーフォーム最適化)

こちらの対策はモール型ではなく主に自社ECサイトで重要となります。
EFOではCVRを上げるにはユーザーがスムーズに購入手続きを完了できるようにするのがポイントです。
入力項目を最小限に絞り必須項目と任意項目を明確に区別しましょう。
入力エラーが発生した場合、エラーメッセージをわかりやすく表示し、修正方法を具体的に示しましょう。
入力フォームのデザインを改善し視覚的にわかりやすく操作しやすいようにしましょう。

可能なら住所自動入力機能を導入しユーザーの入力の手間を軽減しましょう。
またA/Bテストを実施し異なる入力フォームのデザインや構成を比較し最も離脱率、コンバージョン率のいいフォームを見つけるのも手でしょう。

11・決済方法の多様化

クレジットカード決済、代金引換、銀行振込、コンビニ決済、後払い決済、電子マネー決済など多様な決済方法を提供することでユーザーの利便性を高めます。
ユーザーが希望する決済方法を選択できるようにすることでカゴ落ちを回避する事が出来ます。
とくに高単価な商品は銀行振込や代金引換決済が利用される事が多いのでストアの客単価に合わせて決済方法の多様化を進めましょう。

また海外のユーザーを増やしたい、買い物してもらいたいストア様は海外の決済を検討するのもおすすめです。
Paypal、Alipay、WeChatPayなど海外で利用者の多い決済方法を導入することで海外ユーザーの獲得に繋げることができます。

12・レビュー機能の強化または導入

・自社ECサイト
商品レビュー、ストアレビューを投稿できる機能、アプリを導入しユーザーに安心と信頼性を与えます。
レビューはユーザーが商品を購入する際の重要な判断材料となります。
肯定的なレビューは商品の魅力を伝え購入意欲を高めます。

否定的なレビューは商品の改善点を示唆し、品質向上に繋げることができます。
また近年ではレビューはSEO対策にもつながっています。
ストア側が用意したコンテンツ(文言やテキスト)なのか、ユーザーが用意したコンテンツなのかを検索エンジン側で区別できるようになりましたのでユーザーの声はSEO対策としても非常に重要な役割となっています。

・モール型EC
モール型ECの商品レビュー、ストアレビューは検索順位に大きく影響を与えます。
最近ではモール側からもレビューを促すようなメールが配信されていますが、ストア側もレビュー対策を必ず行ってください。
景品表示法に注意しつつレビューを投稿したユーザーにポイントを付与したり、割引クーポンをプレゼント、ギフトカードをプレゼントするなどのインセンティブを提供しましょう。

 

客単価 – ユーザー体験を向上させる施策

13・アップセル・クロスセル

基本的には関連商品のレコメンドに近い役割となるのがアップセル・クロスセルです。
例えばスーツを買うユーザーにネクタイも一緒にどうですか?
PCを買うユーザーにマウスも一緒にどうですか?
コーヒー豆を買う人にはコーヒーフィルター等をすすめる形となるのがクロスセルです。

比較表を用意して容量違い、プレミアム版などを買ってもらえるように促すのがアップセルになります。
商材でアップセルが最適なのかクロスセルが最適なのかは異なるのでべストな方に注力しましょう。

14・セット販売・まとめ買い

こちらは昔からある手法の一つです。
例えばスキンケア3点セット・コーディネートセットを買ってもらう事でセット割を適用します。
また〇〇円で送料無料も有効です。
〇〇円で送料無料を設定する場合は客単価よりもプラス1000円ぐらいの値段に設定しましょう。
高すぎる値段はかえってマイナスになりますので注意です。

15・パーソナライズされた商品レコメンド

ユーザーの購買履歴や閲覧履歴に基づいてパーソナライズされた商品レコメンドを表示します。
類似商品や価格を比較できる商品がある場合は購買意欲を高めます。

ユーザーの属性データ(年齢、性別、居住地など)に基づいてレコメンドをパーソナライズすることも有効です。
例えば特定の年齢層のユーザーにはその年齢層に人気の高い商品をレコメンドすることができます。
レコメンド表示場所はユーザーの目に留まりやすい場所に表示するようにしましょう。
自社ECサイトはとくにトップページ、商品詳細ページ、カートページなど様々な場所にレコメンドを表示することができます。

16・迅速かつ丁寧なユーザー対応

ユーザーからの問い合わせに迅速かつ丁寧に対応することでユーザー満足度を高められます。
もちろんストアの規模によっては迅速に対応する事も難しい場合もありますが、例えば15時までのお問合せはその日のうちに対応するなどの無理のない範囲で対応をしましょう。
意外と見落としがちですが、FAQページを充実させる事も有効です。
FAQページにはユーザーからよく寄せられる質問とその回答を掲載しユーザーが自己解決できるようにサポートしましょう。

一時期チャットボットを導入するところも増えていましたが、最近では廃止する流れになっています。
とくにユーザー層が40代以上のストアはチャットボットの使用は控えた方がいいと言われています。

17・ロイヤリティプログラムの導入

モール型ECであればロイヤリティプログラムはモール側が導入してくれているので気にする必要はありません。
ただし、自社ECサイトでBtoBをやっているストア様は必須と言っていいほどロイヤリティプログラムの導入が必要です。
ランクに応じてクーポンの配布、ポイントの倍率、セールなどの特典を提供しましょう。
ロイヤリティプログラムはユーザーとの長期的な関係を築き、売上向上に繋がる効果的な施策になります。

 

2025年のEC成功に向けて

今回紹介した17の施策を参考に自社のECサイトを最適化し2025年の売上アップを目指しましょう。

変化を恐れず常に新しいことに挑戦していく姿勢がEC市場で成功するために最も重要な要素です。
今回の施策を参考に貴ストア独自のEC戦略を構築し2025年のEC市場で輝かしい成功を収めてください。